タイイングシーンが最高の表紙!「スローループ」5巻補足解説 ハンティングとの相性は

2022年1月6日初心者向け情報

5巻の表紙は最高ですね。まさかタイイングシーンが漫画の表紙になるとは。急にまた海でヒラメやったり、後半にハンティングの話になるなど、バラエティ豊かで面白く、あっという間に読み終わってしまいました。タイイングシーンに偏り気味ですが、今回も勝手に補足解説を進めていきます。

目次

自然渓流型のフィールドはリヴァスポット早戸でほぼ確定っぽい

台風被害があったと判明するシーンもあり、神奈川が舞台ということもあって、この場所はリヴァスポット早戸がモチーフで間違いないと思います。

2019年の台風19号では、残念ながら関東のさまざまな自然系フィールドが甚大な被害を受けました。私のほぼホームだった赤久縄、群馬・栃木北部の山奥系の釣り場、そして今回の早戸なんかは顕著で、再開まで相当な日数を要したようです。自然の形状を生かした管理釣り場で遊べるのは幸せなことだと噛み締めなければいけないですし、慣れているとはいっても、決して油断してはいけません。

マッチングザハッチ その本質

このシーンではフライフィッシングにおける超基本である「マッチングザハッチ」について言及しています。特にワードとしては出てこないのが意外です。要するに、魚がなんの虫を食っているのか観察してフライをセレクトしようというもの。

教科書の1ページめのような内容なんですが、実は個人的にはまったく相反する考え方も持っています。

もちろん基本的にはマッチングザハッチ、マッチザハッチとも言いますが、考え方は合っていると思います。要するに、魚が食べたいものを流すということです。ところがそれは、今流れて捕食されている虫を模したフライを流すということでは必ずしも無いことがあるのです。

どういうことか。

そもそも魚は超賢く、本物かフライかどうかなんてほぼ見極めており、むしろついさっきまで食っていたのに似てるけど明らかに針がついてておかしいようなものが流れてきたら違和感で食わないというもの。

釣り人としてはマッチさせたつもりが、魚にとっては本物との微妙な差が逆に違和感になるのです。それよりも、普段食べてる経験が魚自身にはあるが、今日はまだ流れてきていないという虫をイミテート(模した)したフライを流すと食ってくるのでは。ということです。

もちろんそれは魚のスレ具合、フィールドに依るということですね。スレているからそういう現象が起こるのです。しかしそれも矛盾を孕んでおり、スレていなければマッチさせずとも興味本位でなんでも食ってくる、とくに源流部の魚はそんな感じ。スレているから魚の基準でセレクティブになっているという。

結構重いテーマですが、結局はスレ具合なんですよね。関東のメジャーフィールドで叩かれまくっているようなところは、なかなか思うような釣りができないことが多いと思います。

マラブー その本質

こう言ってはなんですが、あまりにマラブーが強すぎて、高いマテリアルが必要なフライパターンが虚しくなることもあります。マラブーは多色展開とはいえ1パックあたりは相当安いです。

アキスコ(AXICO)<キャナル(CANAL)<ネイチャースピリット(NatureSpilit)の順で質が高く値段も上がりますが、アキスコのものでもアピール力は十分。こだわると、マラブーのどの部分を使うとか、マラブーの質とか、かなり重要になってきて、マラブー1枚から左右1個ずつしかフライが巻けないという人もいますが、ケチれば8個くらいは余裕で巻けます。そのマラブーが数枚入って300円そこらなので、驚異的です。同色は5個くらいフライボックスに忍ばせれば十分なので使い切ることもなかなかないでしょう。ウェットフライなので繰り返し使えますし。

ただでさえ釣れるのにコスパがいい、タイイングの楽しみは何処へ、という嬉し悲し・痛し痒しなのが、マラブーの本質です。

ただ一口にマラブーといっても、マラブーリーチ、ウーリーバガー系、アオミドロ系などなど、バリエーションがありますし、ウエイトの量、ビーズの有無、テールの長さなど言い出すときりがないので、ちゃんと奥深いパターンでもあります。

ただ、初心者が巻いたようなものでも、平気でバシバシ釣れる、まずもってルアー釣りに優位性を感じる釣り方かもしれません。もちろんドライが釣れない釣り場に限りますけどね。

唯一、手返し(繰り返し投げる効率)のみはルアーに劣ります。まあ、それもキャストテクニック次第ですが・・・

スマホ水没と対策

釣りと関係ない話題ですが、水没したからアウトなのではなく、回路に異常がなければ大丈夫なので、よく拭き取った上で乾燥剤と合わせてジップロックに入れておけば案外治ります。

LOOP Qリール 超おすすめ

これはループ(LOOP)の入門グレード、Qリールです。もしくはGリール。非常におすすめです。

これ一個でずっと通せると思います。これ以上のグレードはこだわりです。そこがスピニングやベイトと違って意外と高望みしなくて済むコスパの良さなんですよね。

フライフィッシングとハンティング

山賊ダイアリーという漫画が好きでよく読んでいましたが、ハンティングも非常に興味があります。住環境をまるごと変えなければならないのでなかなか大変ですが、いずれはやってみたいですね。

ハンティングで得られるマテリアルは作中であるようにキジやカモや鹿くらいのもので、結局は海外系は市販品に頼ることになります。鳥類はコンプリート1枚あればかなり使えるので、マテリアル目的というのはなかなか難しいかも?

コンプリートスキンとバラ売り

まさにコンプリート売りあるあるの画像です。尻尾が長いので袋からはみ出ています。これがまたフライフィッシングらしくて最高です。フライフィッシングのショップでワクワクする人は本当にフライフィッシングに向いていると思いますので、ぜひプロショップに足を運んでみてください。

コンプリートでは文字通り鳥すべての素材が取れますが、結構余る部分も多いですし、巻かないパターンだと一生使わないということもありえます。バラ売りのほうが何かと都合がいいです。

ただ、コンプリートは、夢とロマンの塊です。

レッドワイヤー リードワイヤー

鉛のleadは発音的にはレッドワイヤーですが、リードワイヤーとするのも見かけます。同一です。

ただ、鉛の環境負荷というのも叫ばれており、そもそも魚釣りをする時点でどうかという話ですが、レッドフリーワイヤーというものもありますので、そちらを選ぶのもアリです。

魚の選択なんてわかりっこない でもある程度絞るのが技術 麻雀のよう

魚と意思疎通が取れない以上は、基本的には普段食べているベイト(餌)をイミテートするしかありません。それをあれこれ想像して、魚と対決するのが釣りの醍醐味の一つなのです。時間は有限で戻せないので、なるべく正しい選択することが重要となりますが、運否天賦みたいなものもあるでしょうし、ある意味、運7技3と言われる麻雀に親しいものがあるかもしれませんね。

テンカラとの関係

どう例えるべきか難しいものですが、野球とソフトボールのような感じでしょうか。

ほぼほぼ同一で、レンジの自由が効くフライに対してレンジは固定ながら手返しはよく職人気質で和風なテンカラという感じ。テンカラでフライフィッシングの西洋毛鉤を使ってもいいですし、逆もOK。テンカラでは逆さ毛鉤と呼ばれるフォルムのものを使うようです。

要するに川魚は毛鉤的な奴なものを好むということです。

オリジナルはオーバードレッシングに注意

マテリアルを色々買っていくとどうしても使いたくなるもの。

基本的にはなるべくシンプルに仕上げたほうがいいのですが、あれもこれも使いたくなってしまいます。

そうすると「オーバードレッシング」という状態になります。フライでマテリアルをつけることをドレッシングと言い、ドレッシングしすぎた状態ですね。

足し算のように、マテリアルをつければつけるほど釣れるということはありませんが、使ってみたければ使ってみる、それが一番です。相手をしてくれなければどんどん変えていけばいいわけです。

そういう意味でも、やはり初心者のうちは初心者を受け入れてくれる管理釣り場で、マスを釣り上げる経験を重ねるべきでしょうね。

アニメ各話解説も執筆予定

1月7日からスタートするスローループ、アニメの各話も随時解説していく予定ですが、単行本でいうところのどこまでやるのでしょうか。楽しみですね。

スローループ 5巻

いよいよ本格的なタイイング。ところが、また海に!? フライオンリーマンとしては歯がゆいながら、表紙にリングネックフェザントのコンプリートが描かれるかわいい漫画なんて後にも先にもスローループだけでしょう。