料理推しがすごい「スローループ」3巻の補足情報!基本を抑えて楽しいフライフィッシングを

2022年1月6日初心者向け情報

3巻もあっという間に読破。どうやら、サブテーマは料理で間違いない感じ。川魚のポピュラーな調理法から郷土料理まで、見るだけで美味しいです。

可愛い女の子たちと、お互い連れ子ありの再婚という難しい人間模様と、海メインのフライフィッシングと、魚料理。いやあ、テーマの据え方が前衛芸術すぎる!けど面白いです。

目次

自然渓流を利用した管理釣り場はかなりおすすめ

管理釣り場というとどうしてもポンド(池)型を思い浮かべますが、自然渓流を利用したものはフライフィッシング向きですし、ワンランク上の釣り場として非常におすすめです。どうしても自然渓流ですと、誰か先輩や師匠に教わらない限り開拓が難しいところですが、管理釣り場の形態ですとハードルがグッと下がります。

駐車場やトイレといった施設面でも都合がよく、放流もあるでしょうから魚影(魚の量)の心配もありません。それでいて作中でも描かれていますが渓流ならではの釣り方の面白さが味わえるので、いいとこ取りな感じです。

関東ですとリヴァスポット早戸など、何箇所かある感じですね。

https://www.hayatogawa.com/

メンディング不要論もある

このシーンでは流れのある場所でキャストする際に重要な要素であるメンディングについて解説しています。まさかメンディングの解説をするほどちゃんとしてるとはと感心しましたが、実はこのメンディングも無理にすることはないという説もあります。というのも、長時間フライを流すことがそもそもナンセンスで、3秒以内の勝負を基本としたほうがいい、そのためメンディングのようなラインスラック(たるみ)の解消動作は不要という考え方です。都度打ち直し(キャストし直し)のほうがいいということ。

あと結構流れに勝てるようにメンディングするのって難しいんですよね。自在にラインを操作できるようになるという意味で、決して完全不要ではないですが、必須のスキルというわけでもない感じだと把握しています。

ティペットは持てない

構図や表情など、これぞ釣りという最高のシーンですよね。ただ実際、漫画の絵面(えづら)として仕方ないのは承知ですが、このように、ティペットを持って魚を持ち上げることは不可能です。民放の釣り番組を見ていると出演者の釣り人がそのように行っておりますが、それはブラックバスや海の魚を対象とした釣りで、ハリス(釣り針を結んでいる最先端部のライン)が太いからなせるのであり、フライフィッシングにおいては、基本的にティペット(ハリスをフライフィッシングではティペットと呼びます)の細いものを使うため、手を痛めます。最悪、スパッと切ります(痛)。

かかった魚は、ランディングネットにランディング(取り込む)して、フォーセップ(鉗子・かんし)を使って丁寧にフライを外してリリースしましょう。口にフライがかかっていて見えている場合は、簡単な針外しを使っても大丈夫です。フライを飲んでしまっている場合は、絶対にフォーセップです。

その後のシーンで魚の扱いについてはさすがにちゃんと解説しています。さすがハーミットさん監修。基本的に魚は素手で触るのはNG。とくにマス類は触ったところからやけど状態になって死に至ります。鯉は大丈夫らしいのですが、そもそも手が臭くなるので個人的にも魚を直に触るのは敬遠しています。

一方でフィッシュグリップを使うのも、リリースする場合はNGです。マス類は顎が弱いので、持ち帰り用にビク(活かしておくアミ)に投入する際とかでもない限りは、使わないほうがいいです。マス類は、ブラックバスや海の魚とは違う、繊細な魚だと認識してください。こればっかりは口うるさく伝えておきたいところです。ぞんざいな扱いを受けているマスを見るのは、悲しいですから。

シイラならまだわかる領域 結構好きなフライマンが多い印象

2巻でマグロとか言い出したときはどうなることかと思いましたが、この場面ではシイラ釣りに行くことになっています。シイラは海のフライフィッシングのターゲットとしてはわりとメジャーで、作中では最終的に食べていますが基本的にはキャッチ・アンド・リリースのゲームフィッシュですね。真夏に爽快な海釣りを!というニュアンスのフライ釣りの一種です。

タックルがわかりそうでわからない、悔しい(笑)

高解像度でしたら調べてでも特定するんですが、さまざまなシーンで出てくるリールのデザイン、元ネタがわかりそうでわからないのが異常に悔しいのです(笑)。ハーディかなあ。海でハーディ使うか?とか。あと、ロッドもわかりそうでわからない。セパレートコルク(持ち手部分が上下2箇所)で、かつスイッチロッド(シングルハンドとダブルハンドの中間)っぽい感じのものは特定できそうなのですが。絶対見たことある。ですが、わからず。

熟達の方はすぐわかるんでしょうね。精進あるのみです。

なんでもフライで釣ろうとする。めっちゃわかる。

基本的にフライは餌には劣るかもしれませんが、ルアーより圧倒的に優位性があると感じているフライマンが多いと思います。それは軽い素材で、かつ毛をベースとした構成なため、ルアーにはないリアルな質感や動きが表現できるためです。

なので、海でも餌のほうが優位とわかっていても、フライで意地でも釣る。わかります。餌は使ったら負けなんですよね、感覚的に。

セミ、ほかテレストリアル。それはロマン

アリ、セミ、カメムシ、バッタ…。それらを模した場合はテレストリアル(小型昆虫全般的な?)フライと呼ばれます。アリはまだしもセミやカメムシともなれば、他のフライと異なるマテリアルが必要となりタイイングが楽しく難しかったり、大柄のフライになるので思い切って食ってくる魚のアクションがたまらなく最高だったり。

とはいえなかなかテレストリアルが完全優位なシーンは少ないので、どうしてもロマン枠のフライになってしまいます。それでも、テレストリアルは絶対に巻いておきたいフライです。

バーブレスはバレやすい?

実際、バーブ(ハリのカエシ)は、百害あって一利くらいしかない感じです。もしリリースサイズがかかった場合、魚の口のダメージがバーブレス(カエシなし)より大きいものになります。

また、バーブありもバーブレスも対して釣果に差はないという説が濃厚です。しっかりと口にかかってフッキング(針がかり)した場合、テンションが不必要に緩まなければそうそう外れることはありません。

実際、現行品のラインナップは、それこそ漁師用でもなければ全部バーブレスでいいのではと感じています。バレた場合はフッキングが甘かったり、アワセが上手くなかっただけ。ハリのせいにしてはいけません。

やっと渓流へ(泣)

3巻の終わりにてようやく渓流へ足を運んだ主人公たち。フライマンとして見ているといきなり海スタートという実に愉快な物語の発進でしたが、ようやっと王道に来てくれました。

もっとも、フライフィッシングをテーマにした漫画は少ないながら、釣りキチ三平ではハナから渓流のいち釣法として描かれていますし、フライフィッシングの王道を少し外したという意味でチャレンジングというか、ゆるキャンとの差別化というかで、海フライ発進というのは致し方のない部分はあったのかもしれませんね。

ただまあ、普通にフライフィッシングで話を構成するなら、初めての渓流釣りが全然だめで管理釣り場で練習して、その後本流や湖にもチャレンジし、しばらく消化してから海フライというのが無難な気はします(笑)。

フライフィッシングがテーマの漫画があるらしい、という噂レベルで耳にしていたときは、少なくとも渓流発進だろうなとは思っていました。

まさか海とは、と何度もリフレインしながら3巻の補足情報はこのあたりで。

スローループ 1巻

まんがタイムきらら勢としてもどうやら久々の期待良作らしいです。可愛く、たのしく、フライフィッシング。