管理釣り場の主なルアーレギュレーションと違反にならないフライルアーを考察・検討・攻略する

2022年1月6日管理釣り場

要するに、違反をせずにフライルアーを使いたい人(主に私)のための考察検討です。屁理屈多め。

先に断っておくと、フライルアーという言葉はあまり正しくないかもしれません。個人的には、フライのエッセンスで制作したルアーというニュアンスで使っていきます。バルサを削ったりして作るハンドメイドルアーはハンドメイドルアーだし、市販されている鱒の華のようなものは単にルアーとかフェザールアーとか、です。

目次

今回の考察検討をひとまず整理してみる

ひとまずサクッと、どんな流れで本稿の執筆に至ったか、本稿ではどのようなことを考察検討するのか、もろもろ整理してみます。

  • バット部の折れたフライロッドをルアーロッドに魔改造した
  • 魔改造したルアーロッドを用いて、 フライのエッセンスで作ったフライルアーを使った釣りをしたい
  • 調べると管理釣り場においてはかなり厳しいレギュレーションが敷かれている場合がある
  • 管理釣り場によってレギュレーションや呼称がまちまちなので、主要な(個人的に行きたい)管理釣り場のレギュレーションを整理する
  • レギュレーションに違反しないようなフライルアーはどんな風なものか、どんな釣り方ならOKか。フライルアーではなく普通のフライはショットなどを噛ませてそのまま投げてもいいのか悪いのか

だいたいこんな感じになりました。とくに、行きたい管理釣り場ごとのレギュレーション整理と、違反しないようなフライルアーの考察がメインとなります。

というわけで、まずは行きたい管理釣り場とそのレギュレーションのみをピックアップしてみます。

日本イワナセンター

今回の企画にあたり、最も意識していたのがイワナセンターです。というのも、もちろんフライOKなフィールドではありますが(2020年、フライ禁止になりました)、だいぶ肩身は狭そう(バックも狭そう)ということで、誘いがなければ敬遠していました。持ち帰りに際してもかなり厳しいルールとチェックがあるので、調べれば調べるほどフライの持ち帰り勢にとっては難しそうです。一路行ってみるにしても距離があるため、イワナセンターに対しては心の壁を作っていました。

しかし、制作したルアーロッドおよびフライルアーを使うことで、フライNGのフィールドでも胸を張って楽しめるようになります。依然持ち帰りに関して怖いので心の壁はフォーム材1枚くらい薄くなった程度ではありますが、エア釣行の検討としてはもってこいだと感じました。

イワナセンターのレギュレーション抜粋

イワナセンターのレギュレーション考察

ZERO号池第2エリア以外、シングルバーブレスならなんでもOK。非常に簡単です。小さかろうが素材がなんだろうが構いません。ただし、ワームはNGとのことで、カーリーテール的なワーム素材はNG。

まるでプログラミングでもしているかのような、「先にこの要素を持ってきてこの要素が優先になって……」という感覚ですし、本当の本当の疑問は問い合わせるか現場で指摘されてみるほかないですし(スタッフによっても対応が異なるかもですし)、この記事や頭の中だけで一切完結しないことではありますが、とにかく歩を進めていきます。とりあえず、イワナセンターに関しては簡単で、 シングルバーブレスで好きなフライルアーが使い放題です。一方でZERO号池第2エリアに関しては、「2cm以下のルアーとフェザーは禁止」です。 行くかどうかは別として、ここを紐解いていきます。

まず言葉だけ考えればフェザーはそもそもがサイズ問わず禁止。ルアーでも2cm以下は禁止、ということでしょうか。

そして他の管理釣り場でも絶対ぶち当たる、「フェザー禁止」の「フェザー」とはなんぞやという話。

おそらく想像ですが、フライにあまり詳しくない(毛鉤としか思ってない)管理釣り場のオーナーサイドがフライ的なものを全部排除したいのだと思いますが(イワナセンターさんを名指ししたいわけではないのであしからず)、こちとらフライマンとしては「フェザー」なんていうざっくりした言い方は非常に歯がゆいものがあります。

それがハックルなのか、マラブーなのか、エッグのような化繊も含むのか。

なんとなくですが、マラブーを指しているような気はします。あのゆらゆらはルアーでは体現できませんし、トラウトを刺激するものを持っていますからね。

しかしハックリングしたり、ハックルティップをちょっと付けてみたりしたフライルアーのハックル部分も「フェザー」だと言われてしまったらNGです。とりあえずフェザーというのは「羽毛」の英語ですので、今後「フェザー」を見かけたらマラブーおよびハックル、ほか鳥毛全般と捉えます。

一方で、文句を言われないように言葉を正確に捉えれば「羽毛」ですから、エルクヘアは「獣毛」なのでOKなのではと思いますので、OKという観点でフライルアーを作ってもいいと思います。フェザーではなく「羽毛・獣毛・化学繊維」というような言い方に厳密に指定していないわけですから、化学繊維もOKでしょう。ただ、毛みたいなのがゆらゆらしているのが嫌だというのであれば、化学繊維も含むでしょうから、エンジェルヘアー的なものもNGかなという気はします。ただただ一方で、市販のルアーにもしかしたらちょいと化繊がくっついているギミックのものもあるかもしれませんし、なんならハックルがついているものもあります(ハンドメイドですけど)。そのあたりの矛盾は尽きません。

ただ繰り返しになりますが、イワナセンター関わらず「フェザー」と書いている以上は羽毛鳥毛は絶対NGで、獣毛や化学繊維は自己責任(怒られたら解釈を説明した上でモメるつもりは無いことをアピールし素直にやめる)という感じでしょうね。

イワナセンターのレギュレーション攻略検討

ZERO号池第2エリア以外はワーム以外なんでもOKなので、気にせず、 ZERO号池第2エリアに関しては獣毛系・化学繊維のマテリアルのみを用いたフライルアーでなら可能「かもしれない」という感じです。

ショットを噛ませてフライを投げるのも、 ZERO号池第2エリア に関しては 獣毛系・化学繊維のマテリアルのみを用いたフライ以外は基本的にNGでしょうね。

川場フィッシングプラザ

一度お邪魔しましたが、場所取りの煩わしさ、平日でもある程度混むことを除けば良い釣り場です。広いですし活性もいい。何を投げても釣れる感じです。フライも全然肩身は狭くないですが、どうしても混み合うときはパーソナルスペースの問題でストレスですので、なんならフライルアーを投げればいいじゃんという感じで検討してみます。※川場キングダムに関しては、同じ川場に行くなら個人的にはフィッシングプラザ(FP)のほうが持ち帰り数の面で好みです。キングダムも非常に良い釣り場だと思います(私が1回行ったときは渋かったですが)。

川場フィッシングプラザのレギュレーション抜粋

先に持ち帰りのレギュレーションを確認しておくと、個人的に沼田は行くなら1日コースなので30匹。この30匹というのはあまりにも破格です。イワナセンターのようにサイズ指定なし(50UPは1匹までですが)、まあ50以下は小物揃いですが豆というほどでもないし自家養殖・水質良好なので何より味もよし。

続いて本稿でのメインとなるルアーのレギュレーション。HPではこちらとなります。

まずエサとか非常識レベルではない本稿絡みの関連では、

  • ソフトルアー
  • ラバージグ
  • スポンジ状エッグフライ
  • ジグフライ
  • パワーエッグ

がNGとなっています。それ以上にこちらの文書が壊滅的。

フライリールの付いたフライロッド以外フライ(毛鉤)は使わないで下さい。ルアーでフライ(毛鉤)を使う事も禁止です

抜け道一切なしの記述です。要するに、ルアータックルで幅広い意味での「フライ」を使うのは一切NG。これはやられました。

川場フィッシングプラザのレギュレーション考察

とにかく全方向に釘を刺された格好です。少なくとも、完成フライをルアーで投げることはできません。ダンベルアイなどで多少重くしたフライもNG。今回検討しているフライルアーも、フライのエッセンスを盛り込む予定のため無理でしょう。可能なのは、ハンドメイドルアーのみといった感じでしょうか。もしくは、ハンドメイドでもセニョールトルネードやスティック系の、クラフト寄りのもの。それ系も興味はあるので、投げるとしたらそれ系かちゃんとしたハンドメイドルアーになるでしょうね。

一方でフライだとしてもよくわからないのはスポンジ状エッグフライ、パワーエッグ、ジェリービッツ。パワーエッグというのは聞いたことがあっておそらく既製品でしょうか。スポンジ状エッグフライとジェリービッツは意味がわかりません。フォームを使った・・・エッグ? フォームを真円に加工するのは無理なので、もしかするとアントなどで使う発泡ビーズのことでしょうか。

そして究極はジェリービッツ。ジェリービッツ・・・聞いたことないですし、ググっても川場FP関連の情報が出てきてマッチポンプ状態です。まあ、適当なマラブー引っ張れば釣れるんでフライに関しては何も心配はいりません。

川場フィッシングプラザのレギュレーション攻略検討- クラフトルアーという活路

先述の通り、ハンドメイドルアーならOKです。本格的なちゃんとしたハンドメイドルアー(ミノー)も興味なくはないですがちょっと毛色が違うので手を付けないとして、セニョールトルネード系、スティック系は興味がありますね。ないしは、フライで通常使わないような素材を使って軽量小型な物体を作って、それを投げられるなら投げればOKでしょう。軽すぎて飛ばない可能性は大いにあります。

既製品ルアーを買わないというのが自らに課した最低限の縛りなので、ルアーを投げるならクラフト方面、まあバックも取れますしフライメインでしょうね。飽きたらお遊びでクラフトルアーをポイポイ。

宮城アングラーズヴィレッジ(MAV)

MAVに関しては簡単で、冬季トラウト釣りのルールはワーム及びゴム製品NG以外何もなし。オープンするともう少し細かなルールが追加されるかもしれませんが、ショット噛ませてフライ投げてもOKのようなので問題なく釣れるでしょう。

公式HP 冬季ルール

MAVは実質的にルアーマンがメインのフィールドになっており、1人1人のアングラーのパーソナルスペースが激狭です。フライで行くならば、むしろフライマンのスペース間隔の感覚がおかしいと思ったほうが無難です。というわけでMAVでフライを投げるのはよほど釣れなくてマーカー釣りをするときでしょう。マーカーは絶対釣れます(笑)。何ならでっかいマーカーを食ってきます。

むしろそのパーソナルスペースの問題で釣法のカルチャーギャップを感じたことが、むしろ郷に入っては郷に従えの精神でルアーを投げてしまうことですべて解消できるため、リベンジとばかりに行くこともまた一考に値します。周りのルアーマンがそこまでバシバシ釣れていないなか、フライルアーで爆釣というのも楽しそうですね。

そうしてフライフィッシングの素晴らしさが布教できればなおよしでしょう。

群馬フィッシングセンター中之沢

初心者に超オススメのGFCですが、改めてルアーのルールを見てみると、なかなかに厳しい。細かな記載が多いですね。いかにフライが優遇……というか大目に見てもらっているか。基本的なもの以外は川場FPに繋がる部分が多く、さらに加えてアラベスクと名指しもされています。要するに鱒の華、ルアーとして投げる用の重量型オクトパスボムということですね。

さらに特筆すべきは「ルアーでの革の使用」の禁止。これはやられました。必殺フライであるトラウトガムのルアー仕様がNGなんです。

しかし・・・中之沢は全然トラウトガム釣れないので(というか、北関東はどこもトラウトガム釣れない印象)、もとより関係ないかな?と。どちらかといえば小ささが重要な釣り場です。

「毛鉤」との記載なので、毛ではない=化学繊維を使うのは無くもないかもしれませんが、十中八九化学繊維も意味合いとしては内包していると思うので、よほどルアー寄りなビジュアルじゃないとだめでしょうね。アラベスク(エッグヤーン)がNGということからもお察しです。

ルアーの範囲を逸脱せず、小さいルアーを作る。アクセントでちょっとした化繊くらいなら・・・という感じですが、なかなかイメージが沸きませんね。

中之沢でルアーを使うメリットとしては、レストハウス前はルアーのみのため、そこに入れることです。フライオンリーでは見れなかった中之沢の釣り景色を見ることができるようになります。

公式HP(レギュレーション記載ページ)

赤久縄

赤久縄のルアーのメリットは、第1エリアや途中のエリアで釣りやすいということ。後ろに木があるので、ダム以外はバックが取りづらい。赤久縄はフライマンでもルアーとの両刀使いが多い印象です。またダムでも、ルアーでの大遠投は魅力です。数は出ませんが、出るとでかい印象。私の作ったロッドは大遠投向きでは無いかもしれませんが、どれだけ投げられるかというのも事前にテストしてみたいところです。

ルアー関連のレギュレーションを見ると、基本的なこと以外ではジグヘッド、ドロッパー禁止が目立ちます。それ以外は特に細かなルールは見られません。ドロッパーはトレーラーではないため、ショットを噛ませたフライはOKと見ました。各種フライルアーも大丈夫そうです。

しかし、そうです。釣れるもんなら釣ってみろ、です。ルアーはなかなかに厳しい。放流のマメなら相手してくれるかもしれませんが……。

埼玉の水上公園たち

リストアップするのもどうかと思いましたが、さいたま水上公園・加須はなさき水上公園・川越水上公園・しらこばと水上公園。うち加須はなさきと川越のみ経験あり。しかし結果から言えばルアーよりフライオンリーでいいかな・・・という感じですが、ルアーの「練習」にはもってこいだと思います。引っ張りの練習になるでしょうね。飽きる時間帯もあるので潰しとしても。

フライNGなので未経験!未知の釣り場たち

以上はルアー/フライOKの釣り場ですが、「管理釣り場」でググると出てくる釣り場には、フライNGのフィールドも多々あります。見ているとなかなか面白そうなフィールドも多く、すべて未知の場所ではありますが探ってみたいと思います。

元田養鱒場

管理釣り場ポータル

伝え聞くところやレビューではとにかくレギュレーションにうるさい印象。クリアウォーターらしいですが、最近の投稿動画がないのも不穏。撮ると怒られるんでしょうか。

とにかく種類を細かく指定して禁止しています。ここまで明確に指定しているのはなかなか無いのではないでしょうか。もしかするとハンドメイドルアーも既製品に寄せたものでないとだめかもしれません。

要するに、既製品のみ(サイズを守ったもののみ)しか使うなということでしょう。持ち帰り制限は結構値段に対して良心的ですが、気分良く持ち帰れないのも嫌なので、話半分で1回行くかどうか。

元田養鱒場以外も調べて書こうと思いましたが、いい噂を聞かないところや、遠くて未知すぎるところばかり。今後追加されることがあるかもしれません。

おわりに

今回挙げた釣り場は、いずれも「ルアーでやるメリットが有る」「個人的に行ったことがある・行きたい」「ルアーでリベンジしてみたい」「ルアーオンリーなので興味はある」釣り場です。フライのほうが圧倒的に優勢なところでルアーを投げることはないか、ないしはフライでの引っ張りが面倒な場面やバックが取れないなどのシチュエーションでルアーも必要になることもあるかもしれませんが、わざわざルアーを投げる・投げたいというわけではないです。

しかし各釣り場のルアーのレギュレーションをみるとなかなかおもしろいですね。フライだけでは見えなかったものがあります。管理釣り場は一定数釣ってもらわなければリピートされないし、かといってわどなのような特色がなければスレすぎてもダメだし(2021年、わどなは残念ながら閉業しました。本当に残念です)、凶悪なものを使われてスレられてもだめだし、ルアーに対しては本当に管理釣り場ごとに様々な攻防が続けられている印象です。

一方でフライに対して緩めなところが多いのも面白く、それはなぜなのかというのを次回考察してみたいと思います。

最後に改めてのお断りとして、とにかくルール違反をしたいわけでもなければ、グレーゾーンや抜け穴を突きたいわけでもありません。釣り場がNGといえばすぐに従ってフライに切り替えるか、手持ちのものでOKなものを探ります。可能な限りフライのエッセンスを活かして快適な釣りをしたい、それだけです。