フライフィッシングって釣りの中で一番お金がかかるの? 実はフライフィッシングは一番安上がりだった--! ほかの釣法と比較してみた
フライフィッシングはほかの釣り方と比べてお金がかかる? --実はそんなことはありません。必要以上のこだわりさえ持たなければ、意外とリーズナブルに抑えられる釣りなんです。
そもそもなぜフライフィッシングは高いイメージがあるのか
私自身がフライフィッシングをイメージで捉えていた頃(まだ上州屋でフライフィッシングコーナーが幅を利かせていた頃)を思い出したり、いま逆にフライフィッシング以外の釣法を見て逆説的に考えてみたりしました。
やっぱりバブルの頃のイメージ?
◆あとで古い雑誌を引っ張り出してイメージ写真にします
バブルの頃に流行り、徐々に廃れていった--。そんなイメージを、バブルの頃を経験していない私が、フライフィッシングに対して抱いています。
道具にじゃぶじゃぶお金をつぎ込んで、リッチなアウトドアスタイル、ゴリゴリの4駆で釣り場へ。高尚でハイソサエティな、そんな釣りだったの”かも”しれません。
一つ言えるのは、「あの釣りは金がかかる」「金持ちの釣りだ」というのを、他の釣法の兄ちゃん達が遠巻きにウォッチングしている率が高いということでしょうか。
所作の一つ一つに、「フライフィッシングのあれは何をしているのか」という疑問もあるでしょう。
ルアーの人が思うであろう、『フライマンのアレは一体なんなのか』まとめ
しかし現代ではおそらく極めて珍しいであろう、初めての釣りがフライフィッシングという私が、そのイメージを払拭します。
クラシックスタイルの装備が高そう
管理釣り場等でフライフィッシャーを見かけると、誰もがベスト装備で若干ウエスタンな、なんというかクラシカルな装備をしています。それぞれのアイテムは高価な感じがし、服飾だけでも諭吉が何人も犠牲になりそうです。
別にダイワでもホームセンターでもワークマンでもしまむらでもなんでもいい
装備はあくまで個人の自由で、確かに小物が多くなるフライフィッシングではベストが便利なのは間違いありませんが、必ずしもあの『いかにもなフライフィッシングのスタイル』をしなければいけない意味も理由もありません。安いものでいいんです。
絶滅危惧種となりかけているフライマンとしては、フライロッドを振るフィッシャーが釣り場にいるだけで嬉しいので、どんな装備だろうとなんとも思いません。人のことをとやかく言ったり思ったりするタイプの人は、もしかすると内心ケチを付けているかもしれませんが、直接言われるわけでもないし、気にしないのが一番。
それよりも、夏場等で害虫の危険があるなかで半パンサンダルみたいな軽装のルアーマンのほうが心配になります。本項目では安くてもNGではないということが言いたいので、軽装でもOKというわけではないので気をつけてください。
基本的には長袖長ズボン、帽子は必ず。
何千円もするラインを使っている?
フライフィッシング用のフライラインが何千円もするのは事実です。なかには1万円を超えるモデルもあったり、リールに3種類くらいの異なるラインを巻いて合計2万円弱、というケースもゼロではないです。
ところが忘れてはいけないのは、フライラインはメンテナンスで長持ちします。ものぐさな方でノーメンテでも使えることには使えるものです。
しかしルアー用のPE、ナイロン、フロロのラインというのは、細ければ細いほどまとめてロストしたり買い替えたりする率が高く、最近は高品質高価格のものも増えているため、決して安く済むということはないように思えます。
このあたりは厳密に差を図れませんが、決してフライのほうが高いということはありません。
メーカー品のフライラインはおおよそ4500円から。
■もっとも入門に最適なSA(サイエンティフィック・アングラーズ)の「エアセル」
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■ノーブランド品は1000円程度の品も。ただし個人的にノーブランド品のフライラインはおすすめしません。下のリンクの「リバーピーク」に関してはまだノーブランド界隈では使える方だと思います。
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何十万円もするリールを使っている?
何十万円もするヴィンテージリールは存在しますし、その収集が趣味のフライマンも多数存在します。
ところがヴィンテージのアドバンテージは見た目と自己満足しかありません。
機能的な意味で言えばフライリールは4000円程度のもので十分で、1万円程度のもので頭打ちです。
それ以上のものはブランドか前述のヴィンテージかというところの付加価値が占めます。
このリールがほか釣法との決定的な差ではないでしょうか。
海の電動リールやルアー用のステラ等、高ければ高いほど良いということがフライにはありませんので、安さのアドバンテージがここで発生します。
リールのおすすめはロッホモア200Aです。
大物を相手にする場合はまた別のモデルがいい場合もありますが、個人的に大物をこのロッホモアで上げているので全く問題はありません。
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毛針を作る素材が高そう
フライフィッシングの醍醐味が毛針を作ること(=タイイング)であるのは間違いありません。
お金をかけようと思えば割と青天井にかけることのできるタイイングではありますが、完成した毛針(完成品フライ)を直接買うという手段もありますし、作る毛針を限定すれば材料を揃えたとしてもほとんどお金はかかりません。
特にティムコの初心者用セットは一式揃っているので初心者におすすめです。
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むしろルアーのほうがロストしたときの精神的・金銭的ダメージがでかい
多くのフライマンがもちろん魚に毛針を飲まれたり枝に引っ掛けてロストしたりということはなるべく避けたいと思っていますが、万が一そうした紛失の自体に見舞われたとしても、1個あたりの単価は安いためさほどダメージはありません。
ところがルアーの場合、タックルベリーで売っているような1個100円~200円程度の品でもなければ、だいたい1000円くらい、なかには数千円するものがあると売り場を見ていて感じていますので、万が一のロストは痛いのではないでしょうか。
むろん、スプーンやワームなど単価の安いルアーもあるとは思いますので一概にはいえませんが、バリエーションを持とうとするとハードルアー無しという方は少ないように感じます。
もっとも特徴的なのが、フライフィッシングにおいて毛針を自分で作る人と購入する人の割合は厳密には測れずともそこまで極端ではないのに対し、ルアーを自作するという人は相当少ないという点でしょう。もはや工芸品の領域なので、ビルダーさんの作られているものは、もとからコスパは考えられていませんし。
仮に自作したとしてもルアーは1個の製作に時間がかかるため作業単価で考えると安上がりとは言い難いものがあります。
ましてや丹精込めて1個1個作ったルアーを紛失するのは、購入したものよりも精神的ダメージが大きいでしょう。
一方でフライは、1個1個への思い入れはさほどではないことが多いのです。
大概、数個〜10個くらい同じパターンを巻きますが、その中で優劣はあれど、結局は使うものですからね。できの悪いものから使うか、いいものから使うか、時合に応じて分けるか、などはフライマンそれぞれですが。
ちなみに金額的なものを算定すれば、フライタイイングはさきほどのリンクにもあるように1万円前後がスタートラインです。もちろん、ヤフオク等で5000円くらいの中古まとめ売り(それだけでスタートできる量)を狙う手もあるでしょう。これをしばらく使い、買い足すにしてもフックだけにすれば、上乗せの額は微々たるものです。
タイイングをしない場合、完成品フライを都度買う場合のスタートラインは、ある程度揃えたとしても3000円程度です。ヤフオクで数種類セットで売っているのを買ってもいいですし、Amazonの中華製粗悪品でも管理釣り場なら釣果に大きな差はないでしょう。ただ、ハリの質が相当悪いと思いますので、活性のいい小物だけが釣れる管理釣り場が使い所だと思われます。
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一方でルアーは、これもヤフオク等のまとめ売りもあるでしょうけど、さまざまなシチュエーションに対応した種類を揃えようとすれば、どうしても1万円からとなるのではないでしょうか。タックルベリーで一通り揃える、とすれば抑えられるでしょうけれども。
フライ:初期費用は高いようでセットものを駆使すれば長く使えるし安い。1個あたりの値段も安い。
ルアー:中古店などを駆使すれば安く済ませられるがバリエーションを持とうとすると高い。1個あたりの値段も高め。ロストしたときの精神的ダメージもでかい。
ロッドの差は
ロッドに関してはルアーの相場がわかりませんが、やはり高品質であればあるほど高価で、青天井でしょう。
※追記:多少ルアーを見ることも増えましたが、「ワールドシャウラ」のようなものは超高価ですね。
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フライももちろん同様ですが、極端に安いから悪いということはありません。
むしろ技術進歩があまり無いため、平気で10年20年前のロッドでもバッチリ使えてしまいます。
上州屋ロッドとか、入門用セットみたいなクオリティの竿や、中華製ロッドはやめておいたほうがいいというだけです。
■初心者におすすめ&長く使える超定番 TIEMCO「インファンテ」
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一方でおそらくですが、伝え聞いたところではルアーのロッドは日進月歩で、あまり古いモデルは使いにくいのではないでしょうか。
そういう意味で、新モデルを買い続けなければならない、あまりに長期間使ってしまうとリセールバリューが決して高くないという意味でも、フライフィッシングのほうにアドバンテージがあるように感じます。
フライロッドは20年くらい前のものでも状態が良ければかなりのリセールバリューを誇ります。
もちろん、フライでも高いブランド(SAGE、LOOP、ORVISなど)はラインナップの最低価格が高めに設定されていたり、新素材フラグシップモデルで十万円というようなモデルもあります。正直、ロッドに関してはあまり自信をもって他釣法と差があるほど安いと言い切れません。
結局はリールの差だと思います
やはりもっとも大きいのはリールの差です。これがフライフィッシングの特徴的なところ。
お金をかけようと思えば青天井だけど、かけなくても機能的にはまったく問題なし。「ステラじゃなきゃだめ」なんてことはありません(笑)。安いリールを使っていても、もっと”高い”リールを使いなよとベテランに言われるかもしれないだけで、もっと”性能のいい”リールを使いなよ、というニュアンスで言われることはありません。
少し解説すると、性能という意味では圧倒的に「ディスクドラグ」です。昔ながらの「クリックドラグ」はドラグ(掛かって走る魚を適度な力で抑えてくれる)としての性能は決してよくありません。「ギーギー」とうるさいだけです。しかしディスクドラグがべらぼうに高いかというとそんなことはなく、5000円くらいから十分に入手可能です。ただそれも大物が相手の場合に限り、小物オンリーなら最安価のロッホモアで十分です。
■ディスクドラグの安価モデルでおすすめ
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まとめると、リールのアドバンテージと、他部分での徹底的な節約が可能という点が、全釣法のなかでフライフィッシングがもっとも安上がりと言えるポイントでした。
もちろん、リールとセットになった鱒レンジャーや上州屋セットのようなびっくり仰天&超安価な初心者以下のレジャーモデルと、それもまた上州屋によくある、小物一式セットみたいなものだけで釣りに行くなら、ルアーのほうが安いかもしれませんが・・・
■最近こういう中華セットを多くAmazonで見かけますが、質はお察しです。釣具屋さんのセットのほうがいいと思います(笑)
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さらにそこで、フライフィッシングの副次的にアウトドアやキャンプにお金をかけたり、リールをコレクションしたり、こだわっていろいろ高いタイイングマテリアルを揃えだしたり、高い海外メーカーに固執したりすると、途端に他の釣法に口出しできなくなるほど金食い虫になってしまいます。私はそのうちマテリアル(ジェネティックハックルという鳥の羽)で痛い目に・・・(笑)
いずれにしましても本稿でもっともアピールしたいのは、今は通販等もあってかなり安上がりに一式揃えられるので、決してフライフィッシングに高いイメージを持たないでくださいね、ということです。